イベント情報
2012年度第1回オープンセミナー
"気候変化・変動下での東アフリカにおける食糧・栄養安全保障の確保:稲作に関する研究シナジーの活用"
更新日:2018年07月09日
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開催報告
農学国際教育協力研究センター(ICCAE)は、第1回オープンセミナーを7月24日(火)に開催しました。ICCAE外国人客員研究員のジョン・キマニ ケニア国立農業研究所上席研究員が、気候変化・変動に脅かされている東アフリカにおける稲作の生産性向上に向けた国際共同研究について報告しました。ケニアを含む東アフリカでは、コメの消費が急速に拡大しています。コメは、東アフリカにおける食糧および栄養安全保障ならびに農家の収入源としてますます重要な作物になりつつあります。しかし、同地域におけるコメ生産は、気候変化・変動および生産資源基盤の減少に脅かされています。このような現状を持続可能な方法で克服することを目指し、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)の支援のもとカールスルーエ技術研究所やブレーメン大学等のドイツの研究機関とケニア、タンザニアおよびウガンダの農業研究機関による国際共同研究が計画されています。本セミナーでは、その研究計画立案に関するワークショップに参加したキマニ氏が、同国際共同研究の枠組みおよび研究構想について報告しました。気候変化・変動によって東アフリカのコメ生産がどのように変化するのか、作物生産シミュレーションモデルを利用し、農家が気候変化・変動に適応した栽培管理を行うための支援システムを開発するとともに、将来予測される気象条件に適応したイネ品種を開発する計画が説明され、ケニアにおけるイネ育種システムの現状等について活発な討議が行われました。
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概要
開催日時 |
2012年7月24日(火)15:30 - 17:00 |
開催場所 |
名古屋大学農学部第7講義室 |
講演者 |
John Munji KIMANI (国立農業研究所研究員(ケニア)/ ICCAE客員研究員) |
言語 |
英語 |
コメは、東アフリカにおける食糧および栄養安全保障、ならびに農家の収入源としてますます重要な作物になりつつある。同地域は、コメの輸入依存度が高く、コメ生産は、気候変化・変動および生産資源基盤の減少に脅かされている。このような現状を持続可能な方法で克服することが急務となっている。それは稲作に関する研究シナジーの実現と強化、すなわち環境に適応した品種の導入、気候データの収集と活用、作物予測シミュレーションモデルの利用を通して、気候変動の悪影響に対処する農家の能力をエンパワーすることによって達成可能である。さらに、同地域におけるコメの自給達成に向けて、生産性向上に有効な政策の立案も急務である。
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