イベント情報
2013年度第5回オープンセミナー
"近世江戸時代の農業技術(農書)から途上国農村の土壌生産力を考える"
"生活改善アプローチによる途上国農村開発"
更新日:2018年07月09日
概要
開催日時 | 2013年12月5日(木)14:00 - 17:00 |
---|---|
開催場所 | 名古屋大学農学部第7講義室 |
言語 | 日本語 |
* 講演1 (14:00 - 15:30) *■
「近世江戸時代の農業技術(農書)から途上国農村の土壌生産力を考える」
講演者:
林 幸博(日本大学生物資源科学部国際地域開発学科教授)
発展途上国においては、化学肥料などの外部資材に依存しないで土壌生産力を維持することが困難だ、と言われる。農業生産力を持続するには外部資材に依存するしかないのだろうか。我が国の近世農書には、地域資源だけで耕地の肥培管理をし、農業生産力を維持する知恵や方法が満載している。これらの知識が途上国農村の抱える土壌問題の解決に有効かどうかを検討してみたい。
* 講演2 (15:30 - 17:00) *■
「生活改善アプローチによる途上国農村開発」
講演者:
水野 正己(日本大学生物資源科学部国際地域開発学科教授)
農村開発は世界の貧困問題の解決において重要な役割を担っている。これに関連して、過去数十年にわたる日本の農村開発の経験から導かれた生活改善アプローチから、われわれは、国連ミレニアム開発目標(MDGs)の達成に向けた重要な教訓を引き出すことができる。このアプローチは、開発事業を単一の部門に限定せず、生活領域の他の部門へ連続的、漸進的に拡張していくことにより、農村生活の向上を図ろうとするものである。出発点は手元で容易に入手できる材料で身近な課題の解決に取り組むことにある。従って、誰でも、いつでも、どこでも、地元資源による農村開発に着手することを可能にするアプローチということができる。途上国の農村開発にとりこのアプローチが有する重要な意義は、何を実施すべきかよりも、いかに実施すべきかを教えている点にある。