実施体制
本研究は日本とケニアの国際共同研究として実施します。
東アフリカ高原地帯の稲作振興に向けた緊急に解決すべき課題の特定とその解決方法を明らかにするため、栽培学、作物生理学、作物育種学、土壌学、農業経済学、リモートセンシングなどの分野で優れた実績を持ち、アフリカの農業を熟知した日本とケニアの研究者が協働します。名古屋大学(代表機関)は、生育阻害要因の解明と対策の方向性提示、有用遺伝子座を持つ育種素材の整備と育種戦略の構築、生育阻害要因克服に向けた栽培技術対策の提案を担当します。稲作普及条件の解明に係る社会経済調査は一橋大学が担当し、農村工学研究所は、稲作可能地域の特定とコメ生産ポテンシャルの評価を担当します。
ケニアにおける現地栽培試験、育種素材の育成、社会経済調査(村落調査)、農家家計調査等は、ジョモケニヤッタ農工大学およびマセノ大学と共同で実施します。日本側研究者は、適宜ケニアに出張し、ケニア側研究者との共同研究を推進します。また、ケニアの研究者を必要に応じて日本に招へいし、日本で実施する研究も共同で行います。
定期的にワークショップを開催することによって、機関間の連携を強化するとともに情報共有を図ります。
- (1)ケニアにおける稲作振興に関する栽培・育種学的研究
- ① 生育阻害要因(冷害、旱ばつ、いもち病等)の解明と対策の方向性提示
- ② 有用遺伝子座を持つ育種素材の整備と育種戦略の構築
- ③ 生育阻害要因克服に向けた栽培技術対策の提案
- (2)稲作普及条件の解明と普及方策の提示
- (3)稲作可能地域の特定とコメ生産ポテンシャルの評価
- (4)イネの耐旱性に関する現地試験、ケニア西部農村調査
- (5)イネの耐冷性、いもち病抵抗性に関する現地試験、ケニア中央高地農村調査