「サゴヤシ生産のスケールアップを通じた食料安全保障の強化と気候変動へ対応」
2022年7月に、東海国立大学機構とFAO(国連食糧農業機関)パプアニューギニア事務所がテクニカルコープレーションプログラム (TCP) 「サゴヤシ生産のスケールアップを通じた食料安全保障の強化と気候変動へ対応」(Enhancing food security and combating climate change through scaling up sago palm production) のLoA(Letter of Agreement)に調印し、同年8月より2023年8月まで、サゴヤシ学会所属の専門家を派遣する事業を実施しています。
東南アジアやオセアニアに分布する澱粉資源植物サゴヤシは、不良環境に適応し、食用澱粉の生産、食品加工、アレルギー対応食品の製造に活用される他、生分解性プラスチックやバイオ燃料の原料としても期待されています。最近は、withコロナのニューノーマル社会、SDGsへの対応に向けて需要が高まっています。本FAO TCP事業では、コミュニティに資源の管理と維持といったコンセプトを導入し、気候変動への適応性が高いサゴヤシの栽培化を進めること、澱粉の抽出・精製工程の効率化と改善による価値の付加を通じてサゴ生産の振興を図ること、また、それらの活動を担う人材の栽培管理能力や澱粉生産技術の向上に取り組むことを目的としています。
これまでに、立教大学、名古屋大学、三重大学、倉敷芸術科学大学から、文化人類学、熱帯生物資源学、作物生理学、食品科学分野の研究者を派遣、今月19日には、東セピック州ウェワク市近郊のモエン村において、種子繁殖による初のサゴナーサリー(EHARA SAGO NURSERY)の開設式と記念植樹、澱粉抽出工程機械化のためのラスピングマシーンの導入、機械の除幕式と初稼働を行いました。
<関連サイト>
(1) Sago Project Launch: https://m.youtube.com/watch?v=-KoYeN5RLZs
(2) Sago Processing Machine: https://m.youtube.com/watch?v=mlO6B9pXO04
(3) Sago Potential: https://m.youtube.com/watch?v=Xtxtrkv5vHo
(江原宏)