JISNAS-FAO合同セミナーのご案内
第2回JISNAS-FAO合同セミナー特別企画:「国連食料システムサミットのための国内対話」
日時・主催:2021年5月28日(金)17:00-19:00(オンライン)
JISNAS・FAO(主催)、農林水産省(協力)
当センターが事務局を務めるJISNAS(Japan Intellectual Support Network in Agricultural Sciences:農学知的支援ネットワーク)では、FAO(国際連合食糧農業機関)駐日連絡事務所との合同セミナーを定期的に開催することとなりました。2021年5月7日(金)には、第1回JISNAS-FAO合同セミナーがオンラインにて開催され、120名を超える方々より参加申込をいただきました。キックオフとなった同セミナーでは、FAOとその活動について、環境・気候変動・森林分野での最新情報、食料システムサミットの概要と目的などについてFAO側より話題提供を頂きました。
今年は国連事務総長提案の食料システムサミットが予定されており、7月に閣僚級のプレサミットがローマで、9月に首脳級のサミットがニューヨークで開催されます。日本では農水省審議官のもとで各種団体等による国内対話が進められています。そこで、第2回JISNAS-FAO合同セミナーでは、食料システムサミットに向けた対話の機会として活用し、日本での国内対話の進行状況や世界規模で議論を進めている科学者グループの動向についての理解を深めるとともに、日本での課題や日本の役割・貢献などを中心にパネル・ディスカッションを行います。食料システムの変革という大きな課題に向けて、参加者の考えや問題意識を共有し、今後、日本の大学や研究機関、また大学生・研究者が果たすべき役割について話し合う機会となります。興味のある方は、ぜひご参加ください。
(伊藤香純)
<開催案内URL>
http://www.jisnas.com/report/544.html
<参加登録URL>
https://fao.zoom.us/webinar/register/WN_c8vYux3QTyecjq3bTLW_4A
2020年度オープンセミナー実施報告 日本熱帯農業学会・JISNAS・ICREA合同セミナー
- 日時:2021年3月27日(土)15:30~17:00(オンライン)
- 講演:北中 真人(一般財団法人 ササカワ・アフリカ財団(SAA)理事長)
「アフリカの農民と共に歩むSAA」
2020年度 日本熱帯農業学会・JISNAS(農学知的支援ネットワーク)・ICREA(農学国際教育研究センター)合同セミナーを、2021年3月27日(土)にZoomによるオンライン配信の形で開催しました。今回は、一般財団法人ササカワ・アフリカ財団(SAA)の北中真人理事長より、財団の活動について農業生産技術や普及、人材育成分野での取り組みを中心に紹介していただきました。
ササカワ・アフリカ財団(SAA)は1980年代に起きた大飢饉を契機に、笹川良一初代日本財団会長、ノーベル平和賞を受賞したノーマン・ボーローグ博士、ジミー・カーター元米国大統領により、1986年に設立されました。SAAは各国農業省と連携した実践的な農業普及制度の強化、農業大学との連携による中堅農業普及員の再教育といった人材育成事業を行っています。SAAの活動国はこれまでにアフリカ16ヶ国に及び、エチオピアなど4カ国を重点国として事務所を置き、タンザニアなど7カ国を準重点国として農場人材育成を推進しています。アフリカ農業の更なる支援のため、農作物の生産だけでなく、収穫後の処理、加工、マーケティング、消費までの食料システム全体を意識した農業支援に向け、日本の大学研究機関との連携を深めていく予定と伺いました。JISNAS事務局を担当する当センターとしても、連携強化に向けて国内外の関係者への情報発信を進めてまいりたいと思います。
(江原宏)
ケニアで進むイネ新品種の登録と試験水田の整備
JSTの持続可能開発目標達成支援事業(aXis)に採択された「ケニアの稲作生産性向上に向けた改良イネ品種の導入と栽培技術の高度化」では、昨年度、これまで冷害に弱いことが問題となっていたケニアのイネ品種に耐冷性遺伝子を導入して開発した系統をケニアで新品種としてリリースするため、NPT(新品種の生育および収量の評価)およびDUS(区別性、均一性及び安定性)テストに申請しました。順調に審査が進めば、2年後には新品種として登録される見込みです。また、ケニア国内の栽培環境の異なる3地点(中央高地のムエア、インド洋沿岸のムトゥワパおよびビクトリア湖沿岸のキボス)に試験水田を整備しました。これらの試験水田を利用して、有用遺伝子を交配とマーカー選抜により導入したイネを使った栽培試験を行い、遺伝的形質の発現に及ぼす栽培環境の影響を調査するとともに、さらなる品種改良を推進する予定です。
(槇原大悟)
JICA Agri-Net留学生の紹介
- Rakotoarisoa Njato Mickael(マダガスカル)
- Kotte Hewa Swarnamali Deshabandu(スリランカ)
JICA Agri-Netプログラム(農林水産分野における開発途上国の人材育成を目的とした修士/博士の学位取得事業)の留学生として、2021年4月よりNjatoさんは博士後期課程、Kotteさんは大学院研究生で入学し、熱帯生物資源研究室に配属されました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、残念ながら来日できずにリモートでのスタートとなりましたが、二人とも学位取得を目指して作物の生産性向上に関する研究に取り組んでいます。
(江原宏・仲田麻奈)
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